【ひとこトーク】純粋経験
ある本を読んでいて、気になる言葉が目に飛び込んできた。
『純粋経験』
この言葉は日本を代表する哲学者、西田幾多郎の西田哲学において重要なキーワード。
純粋経験とは、『自分の思想や判断が加わる前の「真に経験そのままの状態」』を意味するようです。
『自己の意識であっても、過去についての想起、現前であっても、これを判断した時にはすでに純粋経験ではない』
…つまり、どういうこと?
余分な思考や判断は挟まず、過去や未来にとらわれず、現在の出来事や自分の触れている物などに意識を集中し、ありのままの事実を自分で経験するという事です。
『すべての真理の標準は外にあるのではなく、反って我々の純粋経験の状態にあるのである、心理を知るというのはこの状態に一致するのである』
自分の純粋経験の中に心理(本当の知識、論理、道理)は存在する、心理(己)を知りたければ純粋経験をたくさんしよう、それはより良い人生の礎になる!というところでしょうか。
これは生きる満足度を上げる一つの大事なヒントになると思います。
昨今では、情報過多の社会で至る所に情報がありふれています。
様々な外部の意見に耳を傾ける機会が増え、それに伴い振り回される事も日常茶飯事。
自分を見失いそうになっていませんか?
私は見失うどころか、拡散しすぎて戻る本体が分かりませんでございます(笑)
今回『純粋経験』という言葉に触れてみて、こういう心構えはやっぱり大切と改めて感じました。
なんだか気づけば疲れているかな?って思う事もありますよね。
過去。現在、未来、目まぐるしく情報が更新され、都度、情報をキャッチしては振り回され心を酷使する。
ちゃんと休んでいるはずなのにデフォルトで「忙」状態になってませんか?
そういったときに『純粋経験』が効果を発揮!?
ただ景色を見たり自然に触れたりする。
音楽を聴く、ご飯を食べる、ドライブする、などなんでもいいんです。
ただ、今やっていることに溶け込んで心を研ぎ澄まし経験してみるというのが大事なんですね。
すごいものはすごい、可愛いものは可愛い、美味しいものは美味しい、綺麗なものは綺麗。
素直に感じれていますでしょうか?
少なくとも、私は鈍ってきていると思います。
音楽を聴いていて鳥肌が立った。
フッとした時、突然の光景に全身感動が走る。
道端の花がたまたま目に止まり、考えるより先に綺麗、可愛いと感じる。
想像してみてください、たくさんありましたよね。
小さなことでもいいんですよ。
そういった経験をなくさないように続けていきたいですよね。
今まで言葉で言い表せないような経験をたくさんしてきたのです。
余裕がなくて忘れていってるんですよね。
『純粋経験』で身近な事からフィーリングしていくスタンスを常に取れれば、その効果でもっと心が豊かになり毎日が充実すると思うのです。
今この時を大切に生きましょう。
それができれば、自ずと実のある経験が人生を豊かにしてくれそうですね。
気持ち的には、なぜか勝手に鼻歌を口ずさんでしまってた♪っていうくらいに心がフリーな状態。
こういうワクワクフリーな状態であれば、『純粋経験』はもっとうまくできそうです。
ふだん色々考えてる余計な事からたまには自分を解き放ってみましょう♪
追記。
読んでいて良いなと思う説明があったので紹介します。
『知と愛とは同一の精神作用である。それで、物を知るにはこれを愛さねばならず、物を愛するのはこれを知らねばならぬ』
当たり前だけど、奥が深い。simple is the difficult
今一度、私自身も体現していけるように精進せねばならぬ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またぬん^^