【痒い】ビタミンの代わりに接種した

夜釣りをしているその時はまだ、痒みという苦痛が襲ってくる事を私は知るよしもなかった。

夜のワイナリー。そう私はあるソムリエによってブライングテイストをされ続けていた。
プ~ンプ~ン独特な音、仕留めようのない品定めの動き、私はあの場で見ていて吸われていて止めることが出来なかった。

魔法の煙で、飢えたマイスター達に抵抗したが結果は想像の域を超えない。
それどころか、デパ地下に負けないくらいの勢いで、私は半袖で彼らにワインを試飲してもらっていたのだ。
試飲をしてもらっても、売り上げと呼べるものはなく、痒み成分のヒスタミンだけをもらう。自分のサービスにお悔やみを申し上げたい気分だ。
そんなことより、(普通に虫よけスプレーを使おうよ?)うん、正論。
あの場にあれだけのソムリエがいるとわかっていれば、間違いなく備えたであろう。 想定外もいいところ。

昔からO型のワインは旨いと、彼らに定評のある品種であることは知っていた。
以前、お墓を据え付ける仕事をやっていた時の話。
お墓と言えば、今の時代は低い土地に霊園があったり、建物の中に仏壇があったりとその仕様からバリエーションも豊富だが、やはりお墓と言えばまだまだ山の中に多い。
つまりソムリエのメイン会場である竹藪がいっぱいあるところで仕事する機会がたくさんあった。

普段人気がないそんな場所に一歩足を踏み入れれば、そう瞬く間にその場がソムリエによるソムリエのための試飲会と化すのである。集められた4、5本のワインボトルに向かって我先にとテイスティングを行いにくる。
大きさは普通サイズから中には3センチ程の強者もいた。グラスで飲むというよりジョッキだ?
ちなみに3センチヤローはブゥゥゥンって大きな音がするのでもう怖い、刺されると痛い。パンパンマンになる。
そんな彼らが、なん十匹ともなれば、鳥肌が立つほどに身震いがする。もう人間やめたほうが遥かに楽なレベル。

そして試飲会でA、B、O、AB、この中で最もO型が旨いと彼らに評価され、血-1グランプリに見事輝いていたのが私である。
まさに赤の祭り、血の祭典、ブラッドフェスティバルであった。仕事中だろうが何だろうが逃げまくったもんだ。蕁麻疹が出るくらいには蚊が嫌いだ。

しかし、ここ十数年は滅多に会う事もなくなっていたのだけれど、たまたま出くわしてみればこの仕打ち。
もしや、まだこの品種を評価してくれているのか?あれから十数年も立てばもっと品種改良され豊潤な土地で育った旨いワインがあるだろうに。
もう私には以前のようにソムリエ達を唸らせるワインを生産することは出来ない、土地が枯れて弱ってきているんだ、と高をくくっていた自分にさようなら。そして改めて強引だけど取引成立ありがとう。
寝かせた年代物のワインの味を分かる奴がまだいるじゃないか。
テイスティングをされたけど何だかいい気分だ。これ以上はドМに成り下がるのでやめておこう。

釣りの最中はどこも痒くなく、1日置いてから発現した事がびっくりだ。
海の蚊は効き目が遅いのかもしれない、ビタミンを取らなきゃいけない身体にヒスタミンを接種してどうする。
一瞬でも蚊に美味しいと気に入ってもらえた事に、(私の血はまんざらでもない)と喜んでしまったが。
痒み成分なんてものはそもそもいらないんだ。
痒くしてなんのメリットがあるのか?地味な嫌がらせで身を守るとでも?数多の痒みで殺ってしまおうという作戦か?(数多ける痒みの一撃)下手な挑発で相手を逆上させるんじゃないよまったく。

美味しいなら吸ってもいい、ただし腫れ、痒み、これはいらない。
次に地球が崩壊し再び誕生することがあれば、人間にバフを掛けれる生物になれ。と切に願う。


血と引き換えに涎か…まったく等価交換になってない、むしろ家畜なんかの病気を移されたらほんとに一大事だ。
(あなたの血と私の涎を交換しましょ?)Mでも、そんなプレイはやりたくない。Mjyanaiyo
あまりにリスキーなこの取引はもうやめだ。
自分の血は自分で守る!

(注意)
下には刺された後の画像載せてます、集合体恐怖症の方はスルーしてください!

大量に刺された後

片腕で25か所
両腕合わせると50か所くらい刺されてる

ブログ書いてる最中も痒くて集中できませんでした(笑)

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